【重盛さと美さん×希帆さんインタビュー】 「uchiseiuchi」は希帆の人生を全部詰めこんだヒップホップ! コンプレックスを武器にできたワケって?
- 今年の5月に公開された「TOKYO DRIFT FREESTYLE」で、一気に脚光を浴びた重盛さと美さんと希帆さん♡
希帆さんが重盛さと美さんプロデュースでソロデビューしました。
109マガジン編集部では、おふたりのインタビューを2回に分けて公開♪ 前半は希帆さんを中心に、お話を聞いていきます。
きっかけは「これ覚えて!」
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- ーー重盛さんは可愛いらしいイメージが強かったので、「TOKYO DRIFT FREESTYLE」が公開されたとき驚きました!
重盛:びっくりしました?
希帆:やっぱりさっちゃん(重盛)は、可愛いらしいイメージが強いんだよ。重盛:プライベートを知っている人からすると、これが素だよね。テレビが作りすぎてるから(笑)。
ーー「TOKYO DRIFT FREESTYLE」をやることになったきっかけは、なんだったんですか。
希帆:さっちゃんから急に、ボイスメモが送られてきたんです。「これ覚えて」って。
ーー以前から、一緒に曲をやる予定があったとか。重盛:全くなかったです(笑)。新型コロナで自粛期間中にTERIYAKI BOYZ®「TOKYO DRIFT」のビートにフリースタイルラップする「TOKYO DRIFT FREESTYLE」が流行ってて、「希帆ちゃんにさせたい!」と思ったのがきっかけ。希帆ちゃん用の歌詞を書いたら上手く書けたので、自分の歌詞を足すことにしたんです。ふたりでやったら面白そうだなって♪
- ーーMVもご自身で制作されたんですよね。
重盛:インカメラで撮って、iPhoneに入ってるアプリで編集しました。
希帆:自分の好きな表情を切り取ってくっつけただけ。編集力は0です(笑)。インパクト大の歌詞は、全部が実話!
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- ーー「uchiseiuchi」は、どのようなコンセプトですか。
重盛:去年の夏から、希帆ちゃんのあだ名がセイウチになって「セイウチをテーマにしたいな」って考えてたら、“uchiseiuchi”ってメロディーを閃いたんです。あとは、希帆ちゃんの人生を曲にしたいなって。 歌詞に書いてあること、全部実話なんですよ。
希帆:私のなかでは、めちゃくちゃ普通なんですけどね(笑)。さっちゃんが「普通じゃないよ」って、いつも教えてくれる。重盛:この曲を作るとき取材したら、出てくるエピソードが全部強すぎて(笑)。弱めな話を選びました。ーーまさか父と土で韻を踏むとは(笑)。重盛:“養う父 床はほぼ土”は、他のラッパーでは聴いたことないワードで踏めたので、すごい達成感がありましたね。それにこの曲は、希帆ちゃんにしか歌えない。床がほぼ土なんて、体験したことある人のほうが少ないもん。希帆:でも、さっちゃんにしか書けない歌詞でもある。重盛:希帆ちゃんにしか歌えないし、私にしか書けない。希帆ちゃんをプロデュースするなら、誰にも負けないと思う。人間的に面白い人なんで、もっと世間に知ってほしいんです。希帆:貧乏で育ったことを、さっちゃんにも5年間くらい隠してたんです。恥ずかしいものだよなって。でも、さっちゃんは「武器にしたほうがいいよ。面白いじゃん」って言ってくれた。私の意識をポジティブな方向に持っていってくれたのが、さっちゃんでした。「uchiseiuchi」は、それが全部歌詞になってます。生まれと家がヒップホップ!
- ーー公開されたMVもインパクトが強かったですよね。
重盛:どうしても希帆ちゃんの実家でMVを撮影したかったんです。MVを見てもらったら、曲を100倍楽しめるはず。
希帆:逆に見ないと「どういうことだ?」ってなるかもしれないね。重盛:“あさりの砂抜き? No No洗濯機!”とか、意味がわからないじゃないですか。希帆ちゃんちに初めて行ったとき、泥水の入ったバケツが置いてあって「これ何?」って訊いたら洗濯物だったっていう(笑)。希帆:私のなかでは、それが当たり前なんですよ。
重盛:“すごい物語も~屋根が足りん”も、本当で。実家をドローンで撮影してみたら、想像以上になかったよね。希帆:上からの絵を初めて見たんですけど、本当に足りなかったです(笑)。重盛:希帆ちゃんは、本当に生まれと家がヒップホップ。おかげで最高の絵が取れました。やっぱりノンフィクションに勝てるものはないですよね。
- ーー見ている側が励まされる、前向きな作品になったな…と。DMから始める恋もあり♡希帆:撮ってても楽しかったよね。重盛:楽しいを追求しすぎて疲れたくらい(笑)。希帆:ふたりで何かやってると、「もっといいもの!」ってなっちゃうんだよね。誰かストップをかけてくれる人が必要なんです。
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- ーー希帆さんは、どんな音楽を聴くんですか。
希帆:音楽のジャンルでこれが好きとかはないんですけど、合唱曲やJ-POPが中心ですね。Dragon AsheやSteady&Co.も好きです。「TOKYO DRIFT FREESTYLE」をしてからは、ラップも聴くようになりました。ーーご自身が音楽活動をすると思っていましたか。
希帆:全く(笑)。だから、この数か月間は頭がずっとプカプカしたままなんです。そこまでラップを聴いていたわけじゃないので、歌いかたはさっちゃんに教わりました。ーー希帆さんが作詞・作曲を手掛けた「If」は、どのような曲なんでしょうか。
希帆:3年前に好きだった人のことを思って書いた曲です。人生で初めての一目惚れだったんですけど、その子人には彼女がいて。忘れられないとかじゃないんですよ。いま思うと高望みだったなって(笑)。ーー希帆さんの話しかたからするに、きっといい恋だったんですね。
希帆:悪い恋はひとつもないです。だって、その人を選んだのも自分だし。傷ついたこともあるけど、人を恨みたいと思ったことはなくて。ハードル高い人ばかり好きになっちゃうから、全然上手くいかないですけどね(笑)。
- ーーでも、ハードル高い人を好きになるの楽しいからな…。
希帆:無理めな恋をしてると、いろいろ頑張れますよね♪ーー歌詞に“インスタのDM頼り”とありましたが、実際にInstagramのDMから始まるのはありですか。
希帆:なんなら「If」は、そこから始まってますよ。私からDMしたので(笑)。今はもう受け身の状態なので、曲がリリースされたらこまめにDMチェックすると思います♡中途半端にするくらいなら振り切って
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- ーー希帆さんがコンプレックスを武器にできるようになったのは、何かきっかけがあったんですか。
希帆:さっちゃんのおかげですね! 以前はマニュアル通りの人生が正しいと思っていたし、貧乏なことがトラウマだった時期もあったんです。でも、さっちゃんが「めっちゃいい武器だし、希帆ちゃんの個性だよ」って言ってくれて。自信がついたんですよね。ーー重盛さんと仲良くなって人生が変わったと。
希帆:めっちゃ変わってます! さっちゃんと出会ってなかったら、私はまだファーストフード店でバイトをしていたかもしれないので。
- ーー吹っ切れる希帆さんも、すごいと思います。
希帆:さらけ出したほうが楽だと気づいたんです。「50っていうのはないよ。中途半端だったら、振り切ったほうがいい」って、いつもさっちゃんに言われるし。ーーそれにしても、ここまで“彼氏欲しい”っていう曲もあまりないですよね(笑)。
希帆:たぶん口癖なんですよ。無意識のうちに言っているんだと思います。「今年は彼氏作る」「今月中に彼氏作る」って。今は彼氏ができてないのを、コロナのせいにしてます(笑)。ーー新しい人に会っちゃいけない気がしますもんね。
希帆:そう! でも、それをさっちゃんに言ってたら「TOKYO DRIFT FREESTYLE」の歌詞にされました。思ったことをいうと、全部歌詞になって返ってくるんです(笑)。大事なのは、自分を大好きになること
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- ーー希帆さんは、洋服のこだわりってありますか。
希帆:お金がないので、いつもおさがりばっかりです。昔からリメイクはよくしてましたね。Tシャツに穴をあけたり、可愛いワッペンを切り抜いてトレーナーに縫い付けたり。ーーもとからDIY精神があったんでしょうね。
希帆:家族みんながそういう育ちかたをしていたので、直して使うのは自分にとって普通なことなんです。諦めない精神が強いのかもしれないですね。
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- ーーそれが今に繋がってて。
希帆:そうですね。幼少期から、すぐには諦めたくない性分なんです。今の事務所も芸能が諦められなくて、いれてもらっていたりもするので。諦めていいことないから立ち向かっていきたいですね。ーーコンプレックスを武器に変えていくには、どうしたらいいと思いますか。
希帆:自分を1回受け入れて、笑いながら人に話してみる。それを上手く受け入れてくれる人がいたら、武器になると思うので。「これも自分だ」と開き直って、自分を大好きになることが大事だと思います。ーー大好きになる一歩としてオススメしたいことってありますか。<Writer : 坂井 彩花> <Photo:遥南 碧/はるな あおい>
希帆:「完璧じゃなくていいや」と思って、愛嬌で許してもらうこと(笑)。100%な人間なんていないので、とりあえず愛嬌で切り抜けていけばいいと思います。